Lingva Demandokesto ことばの質問箱 横山裕之編 <14><15>
◆質問 superとsupro
super と suproが似ていますが、Monto Fuĵiを例にとると以下の理解で良いでしょうか?
(1) super Monto Fuĵi 富士山の上(上空、笠雲の位置)
(2) supro de Monto Fuĵi 富士山の頂上および山腹の上の部分(5合目あたりから頂上まで)
なお、malsupro、subについての質問もいただいていますが、次号で扱わせていただきます。
●回答 (1)はそのとおり、対象の富士山から離れていて、宇宙まで含みます。
(2)は「頂上」です。「山腹の上の部分」というならsupra parto de Monto Fuĵi が普通でしょう。
(編集部)
◆質問 malsuperとmalsupro
上記super、suproの質問に続いて、以下の理解でよいでしょうか。
(3) malsupro de Monto Fuĵi 富士山の山腹の下の部分(麓から5合目あたりまで)
(4) sub Monto Fuĵi 富士山の下(地下部分)
(5) malsuper = subにあたる
●回答 (3) malsupro de Xは「Xの一番下の部分」が一般的な解釈で、山なら「麓」にあたります。「全体的に見て下の部分」にあたる「山腹の下の部分」なら、malsupra parto de Monto Fuĵiとなるでしょう。
(4) subは、確かに「地下部分」もあります、例えば「magmo sub Monto Fuĵi =富士山の下のマグマ」のように。ただ、「sanktejo sub Monto Fuĵi=富士山の麓の神社」のように「麓」に使う場合が多いです。一般的にsubは「離れて下」にあたる場合(例:「boato sub la ponto=橋の下のボート」)と、「くっついて下」にあたる場合(例:「telero sub taso=カップの下の皿」)と両方あります。(「山」の場合、ふつうの「物」より「下」がどこかというのが分かりにくいですね。)
(5) の malsuperという単語は、ほとんど使われていませんが、使われる場合は、subの内の「離れて下」に限定されます。これは「super=離れて上」の反対だからです。
(編集部)
【La Revuo Orienta誌 2018年7月号および8/9月号より】