台風19号の影響で、残念ながら中止になった講演の概要をお知らせします。
第106回「日本エスペラント大会」講演概要 (2019年10月13日予定)
演題:「語学習得への道を拓く国際語エスペラント」 春遍雀來
(La internacia lingvo malfermas vojon al la lingvolernado)
本講演では、語学習得の本質について述べると共に、エスペラント語の魅力をお伝えする。
語学を学ぶ際には「この言語を学びたい」という熱意が必須である。そして、語学習得に最も有効な方法が、対訳文の活用だ。自分の興味ある分野から少し難易度の高い対訳文を選び、「多読」することが効果的。私は今までに18言語を学び、そのうち10か国語は流暢に話せるが、対訳文は語学習得の最大の早道であった。
自分に合った教材を使って、楽しく学習することも大切である。今回は一例としてLiberaというアプリを取り上げるが、これは各種文字表記・音声朗読・辞書機能を搭載し、対訳リンクから語彙解説や文法説明等、有益な情報が即座に参照できるツールである。このようなツールを活用することで先に述べた対訳文の多読も捗り、学習者は外国語学習をストレスなく進めることが出来る。
一方、リスニングや会話の力は、その言語を母語とする人と親しく話をする中で自然に身に付いていく。覚えた単語や文章を実際の会話で使い、それが相手に通じた時はとても嬉しく、上達への意欲が一層高まる。相手との交流を楽しみながら自然に学ぶことも上達の秘訣の一つである。
また、今回の講演では「エスペラント語と国際語」にも言及する。エスペラント語が優れている点として、意味の透明度・親しみ易さ・平易な文法・豊かな表現力・柔軟な語順などが挙げられる。規則が明解で学び易く、他の言語習得が思うようにいかなかった経験がある方でも、習得は十分に可能である。エスペラント語を通して他国の人々と友達になりたい、という気持ちがあれば、学習はより楽しくなるだろう。
実用的な教材として、日常的な熟語や表現を現代日本語に則してふんだんに盛り込んだ「漢字学習字典エスペラント語版(2019年2月出版)」も紹介する。