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「エスペラントの今」第19号:アジアで初開催「ポリグロット・コンフェレンス」

広報委員会 2020-02-04

シリーズ「エスペラントの今」第19号
 エスペラントの現状を様々な面からご紹介するシリーズの第19回目をお届けいたします。ご質問、取材問い合わせ等は、当協会広報委員会までお願いします。

■アジアで初開催 多言語イベント「ポリグロット・コンフェレンス」

 2019年10月18日~20日の3日間、福岡市の九州産業大学で、世界中の多言語話者(ポリグロット)が集まるイベント「ポリグロット・コンフェレンス」 [*1] が行われました。主催したのは英国のリチャード・シムコット氏。イベント会場では言語学についての講演、世界各地の様々な言語を紹介するワークショップ、ポリグロット同士の交流会などがもうけられ、多くの青年たちが参加しました。同イベントは、アジアでは初の開催でした。

ポリグロット・コンフェレンス2019でのエスペラント・ワークショップ

 エスペラント語のワークショップも行われました。企画をした瀬下政也さん(33歳)はクラウドファンディングを活用し、国内外のエスペラント語話者たちの協力も得て、32人の参加を得ました。
 ワークショップにはイングランド、スコットランド、フィリピン、ドイツ、アメリカ、中国などからの参加がありました。英語、韓国語、インドネシア語でエスペラント語の概要と簡単な文法を紹介し、参加者の言語の文法との比較をおしゃべり感覚で行いました。参加者からは、エスペラント語独自の造語法や文法構造に興味を持ったという声や、エスペラント語についての具体的なイメージがつかめたなどの反響がありました。瀬下政也さんは、報告[*2]で次のように述べています(要旨)。

グローバル化を掲げると否応無しにポリグロット化、英語と日本語と他の言語を巻き込んだ複数言語化の問題に直面します。(中略)「エスペラント語は私たちのポリグロット生活を助けてくれる言語です」と私はワークショップで主張しました。エスペラント語は当然、「事実上の国際語 」である英語に、勉強のニーズで敵わないと思っています。
それでもエスペラント語は「心のグローバル化」に寄与することができると考えます。つまり「グローバル化は英語でなければならない」という視点を「グローバル化は英語という視点もある(がその他もありうる)」と変えてくれたり、あるいは、「“世界”ではこう考えられている」という視点を「“英語”ではこう考えられている(が他ではこう考えられている」と変えたりしてくれます。そのような点で、エスペラント語は日本人にとってポリグロットの入り口に適した人工言語だと考えます。

 多言語多文化共生に エスペラント語が寄与している、事例のひとつといえるでしょう。■

参考 [*1] イベント:URL:<http://polyglotconference.com/> (2020年はメキシコで開催予定)
行事の趣旨や、過去行事の記録は、次のアーカイブにて確認できる。<https://web.archive.org/web/20190912073702/http://polyglotconference.com/>
[*2] 報告:『La Junuloj』119号(日本青年エスペラント連絡会機関誌)、『La Movado』827号-828号(ラ・モバード社、ISSN 0915-6038)


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