広報委員会 2022-03-01
シリーズ「エスペラントの今」第24号
エスペラントの現状を様々な面からご紹介するシリーズの第24回目をお届けいたします。ご質問、取材問い合わせ等は、当協会広報委員会までお願いします。
40年目を迎える、エスペラント語での東アジア青年交流
~ コロナ禍も乗り越えて ~
世界中で経済活動のみならず、国際交流活動にも甚大な影響を与え続けているコロナ禍。その影響は、私たちのエスペラント語による国際交流に於いても例外ではありません。世界エスペラント大会をはじめ、各国・地域のイベントや講習会が相次いで中止となり、オンライン開催へと姿を変えました。しかし一方では、日本ではなかなか普及が進まなかった、Zoomなどのオンライン会議という手段が、一気に広まったきっかけでもありました。
東アジア青年エスペラントセミナー(Komuna Seminario 略称KS)は、日韓の青年の国際交流が難しかった時代に「エスペラント語による交流の場を!」という志で始まりました(参考:「第 35 回東アジア青年エスペラント合宿、大阪・京都で開催 ― 日韓の青年が、エスペラントを共通言語として自ら拓いた友好 50 年の証」)。第1回(日韓合同セミナー)は1982年開催。その後参加国が増え、現在は韓国・日本・中国・ベトナムの持ち回りで毎年開催されています。このKSも2020年(第38回・韓国主催)はオンラインとなりました。そして2021年(第39回)は日本の青年たちの番。
「コロナ禍と私たち(Kronviruso kaj ni) 」をテーマに、再びオンラインで企画が進みました。
オンライン開催には、旅行に行くのが難しい人でも気軽に参加できるメリットがあります。その一方で、まじめな討論会や講演会はできても、懇親会やレクリエーション活動とは相性が良くありません。たとえ「セミナー」と銘打っていても、本音では多くの参加者が、新しい仲間との出会いと触れ合いを楽しみにしています。どのようにしてオンラインでもそれに応えるかが、大きな課題の一つでした。
そして、準備を整えて迎えた当日(2021年11月13〜14日)。日韓中越の主催4カ国に加え、インドネシア、フィリピンなどの東南アジアや、インド、パキスタンなどの南アジア、さらにはアジアの枠を超えて欧州、豪州、南米から…合計21カ国・地域から参加者111人という賑やかなイベントとなりました。討論会では若者たちがコロナ禍の中で考え、実践していることを熱心に論議。お楽しみという面でも、クイズ大会、バーチャル観光ツアー、オンラインDJの開催などを盛り込みました。
イベントは成功裏に終了し、次回2022年(第40回・中国担当)の再会を心に誓いつつ、中国の若者エスペラント仲間たちにバトンを渡しました。
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