JEI の実施するエスペラント学力検定試験は、1987年から現在の4段階からなる制度となりました。この度、4段階制には変更はないものの、各級の基準を明確にして受験希望者の効果的な学習に役立つよう、新基準を策定しました。概要は以下の通りです。
2023年3月25日の試験から、この新基準が適用されます。なお、4級・3級の単語リストを本ページに掲載します。
◆更新履歴
- [2023年3月13日 更新]
- 単語リストを修正版(2023年2月版)に入れ替えました
- 修正内容
- ミスタイプの修正
- 両リストに重複掲載されていた単語の整理(3級リストからの削除)1件
- 単語追加(4級に ĝi を追加。3級に komputi を追加)
- 3月24日追記:両リストに重複掲載の単語が更に3つ見つかりました
- vintro, printempo, aŭtuno
- 修正版リストに差し替えました
- [2024年6月 単語リスト更新]
- 2023年制定のリストを見なおし、「よく使われる語形」の品詞語尾を一部改訂しました
- 4級は470語、3級は474語のリストです
- JEI学力検定試験4級単語リスト (JEI_ekzameno_vortlisto_4_202406.pdf)
- JEI学力検定試験3級単語リスト (JEI_ekzameno_vortlisto_3_202406.pdf)
《4級》
◆筆記
- 使用単語は4 級用単語リストにある471語(語尾、接辞含む)。それ以外には注をつける。
- 単語関連-意味、品詞、活用形(動詞時制、複数形、対格など)、派生語
- 扱う文の種類:
- 単文(等位接続詞を使用した文も含む)
- 疑問文(Ki- 疑問詞含む)
- 無主語文(天気、日付、曜日に関してのみ)
- 命令文
- 比較級
- 不定詞とともに使うdevi、povi、voli 等の動詞を含む文
- エス文和訳と和文エス訳
◇会話
- 基本文法を用いた、日常的によく使われる会話と簡単な自己紹介。5 分以内。
《3級》
◆筆記
- 使用単語は3 級用単語リストにある476語(語尾、接辞含む)と4 級用単語。それ以外には注をつける。
- 単語関連 ― 意味。
- 指示に従って答える問題:
- 前置詞・関係詞、自動詞・他動詞の区別
- 副詞と形容詞の使い分けなど
- 扱う文の種類、文法事項など:
- 複文(従属接続詞、関係詞等を含む文)
- 間接疑問文
- 受動態
- 複合時制
- 仮定法
- 無主語文(不定形やke- 節が主語の文含む)
- 最上級
- 分詞形容詞
- 分詞副詞
- エス文和訳 ― 500 字程度のエス文を訳す/ 和文エス訳 ― 200 字程度の日本語をエスペラントに訳す。
◇会話
- 日常的な話題についてのやりとり。5 ~10 分程度。
《2級》
◆筆記
- 使用単語は、
- 『エスペラント日本語辞典』(JEI 発行)見出し重要語2,400 語(3、4 級用リストと重複語多数) https://www.jei.or.jp/ejvortaro_gravaj/
- Baza Radikaro Oficiala 2,537 語 https://www.akademio-de-esperanto.org/aktoj/aktoj2/bro.html
- エスペラント・アカデミーによる公認語根5,258 語 https://www.akademio-de-esperanto.org/akademia_vortaro/
- 長文読解 ― 抽象的な事柄を含む幅広いテーマについて書かれたエスペラント文(200 ~ 400 字程度)を的確に読み取る力を問う。
- 和文エス訳 ― 抽象的な事柄を含むテーマについて、エスペラントによる表現力を問う。
- 文法問題 ― 文法事項をめぐる正確な知識と理解力を問う。
- 小論文 ― 複数の一般的出題テーマの中から1 つを選択し、エスペラントで記述する。テーマの内容をまとめて、適切に表現する力を問う。
◇会話
- 抽象的、具体的な内容について、口頭でもストレスなく応答できるかを見る。10-15 分程度。
《1級》
◆筆記
- 複雑な内容や言い回しを含めて、エスペラントを自由に使いこなせるレベル。
- 長文読解、和文エス訳ないし作文にあっては、形式は2 級筆記と同様であるが、使用のエスペラント表現に制限はなく、また、既存の和エス辞書にあるエスペラント表現では不十分な場合も含む。
- 文法問題 ― 文法事項をめぐり、体系的な知識と、日本語話者への説明力を問う。
- 小論文 ― 複数の抽象性の高い出題テーマの中から1 つを選択し、エスペラントで記述する。テーマの内容をまとめて、適切に表現する力を問う。
◇会話
- 各種の話題に対して、口頭で説明し、質問にも対応して話を展開できるかを見る。10-15 分程度。
《参考》
なお、2008 年以来世界のエスペラント界では、ヨーロッパ言語共通参照枠(Komuna Eŭropa Referenckadro)に基づいたKER (CEFR) 試験が行われています。しかし、KER はあくまでもヨーロッパにおける社会状況(言語使用状況)を反映した中での試験ですので、JEI の検定試験との直接の比較はあまり意識していません。