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Al RihlaとAl Hilm:世界エスペラント協会ニュースリリースより

  • 世界エスペラント協会 ニュースリリース 第1085号(2022年12月15日)を日本エスペラント協会で抄訳しました

Al Rihla(アル・リフラ)とAl Hilm(アル・ヒルム):2022年ワールドカップの公式球にエスペラント語

ドイツのスポーツ用品メーカー、アディダスと国際サッカー連盟(FIFA)は、2022FIFAワールドカップの公式球に表示される言語の1つとしてエスペラント語を採用しました。これについて、世界エスペラント協会(UEA)では、最初に、第3回バーチャル・エスペラント大会の大会通信「Facila Vento(そよ風)」の第1号でご案内しています。

このボールの正式名称である「Al Rihla(アル・リフラ)」は、アラビア語で「旅」を意味します。2022年3月からアディダスによって製造されたこのボールは、カタール文化の諸要素を新しい技術や現代的な価値―たとえば持続可能性や国際性など―と結合させたものです。FIFAによると、そのデザインはカタールの文化、建築、ボート、国旗から着想を得ており、青、赤、黄色の配色はこの国の風景を再現しています。その極めて個性的なデザインに加えて、アル・リフラは、ボールの動きについての詳細なデータによってビデオアシストの判定を改善するテクノロジーを備えており、また、水性のインクや接着剤などの環境に優しい素材で製造された、はじめてのFIFA公式球でもあります。さらに、ボールの6つの三角形のパネルには次のようなメッセージが(以下の6言語で)表示されています:フットボールとは – 集団的 – 責任 – 情熱 – 尊敬 – チームワーク – フェアプレイである、と。

それらの言葉は、英語、アラビア語、中国語、フランス語、スペイン語、そしてエスペラント語で表示されています。はじめの5つは国連の公用語です。英語、アラビア語、フランス語、スペイン語はFIFAの公用語でもあります。Esperanto誌(世界エスペラント協会の機関誌)の情報によれば、ボールにエスペラント語を含めることは、アディダスのデザインディレクターであるFranziska Löffelmann(フランツィスカ・レッフェルマン)さんの発案によるものです。

アル・リフラはワールドカップの最初の60試合で使用されましたが、2022年12月11日、FIFAは準決勝と決勝で特別に使用する別のボール、「夢」という意味の名を持つ「アル・ヒルム(Al Hilm)」を発表しました。このボールの技術的な面はアル・リフラと同等ですが、デザインは、テクスチャード加工された金色・赤・紫の基調色の上に繊細なタッチの三角型が描かれており、ドーハ市周辺の砂漠のきらめく砂丘、ワールドカップトロフィーの色とカタール国旗の図柄から着想を得たものとなっています。ここでも、アル・リフラと同じ言語が、ただし別の意味の言葉と別のデザイン構成によって使われています。今回は、「共に」という単語のみがアラビア語で中央に表示され、その周囲に、同じ意味の英語・中国語・フランス語・スペイン語・エスペラント語の言葉を読むことができます。どちらのボールも、アディダス オンライン ストアで購入できます。
《補足: 実際には、アル・ヒルムで使われている言葉は、「共に(エスペラント語ではKUNE)」の他に、情熱 (PASIO)、インスピレーション(INSPIRO)、誇り (FIERECO)、伝統 (TRADICIOJ)の合計5つ。(日本エスペラント協会》》

《中略》

UEAと世界エスペラント・フットボール協会(TEFA)は、アディダスとFIFAがエスペラント語を採用したことを称賛します。その選択は、世界のエスペラント・コミュニティに最大の敬意を表すものであり、また、エスペラント語が最も重要な国際語の1つであることを立派に証明するものです。また、UEAは、2022ワールドカップに参加したすべてのチームを、なかでも準決勝に進出した4チーム、アルゼンチン、フランス、クロアチアとモロッコを―とりわけファイナリスト2チームを―祝福します。最後に、UEAは、世界的に有名なブラジルのサッカー選手ペレの幸運を願います。彼は、「エスペラント語は、アスリート達が互いの距離を縮め、友人として、また、競技者として関係を深めるのに非常に役立つだろう」と言明し、エスペラント語を支持しました。82歳のペレは現在入院中で、2021年以来がんと闘っており、最近はCOVID-19による呼吸器合併症に苦しんでいました。しかし、医師達は彼の状況が改善したと報告しています。

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