「エスペラント / La Revuo Orienta」 1997年1月号掲載

世界、日本で何人の人がエスペラントを使っているか

この問題に正確に答えられる人はだれもいません。 というのは、日本語なら 日本の人口とほぼ同じ1億2千万人が話していると言えますが、 エスペラントの場合はその「母国」がないからです。 また、どの程度の学力があると「使っている」ことになるのかというのも 基準がないからです。

人数を算定する基準になる数字としてあげられるのは、 世界エスペラント協会と日本エスペラント学会の会員の数です。 1995年の世界エスペラント協会の 個人会員(あらゆるカテゴリーを含め)は、7036人です。 世界エスペラント協会には各国のエスペラント協会が団体加盟していますが、 その各国の会員数は 合計21531人です。 日本エスペラント学会の会員は、1996年10月付で1400人です。 しかし、学会に加盟していないエスペランチストもたくさんいます。 エスペラント世界大会の参加者は、 94年(韓国)1776人、 95年(フィンランド)2443人、 96年(チェコ)2703人です。 日本からの参加者はそれぞれ512人、175人、172人です。 世界大会に行ける人はほんの一部です。

問題は、こうして表に出てくる人数の裏に、 その何倍のエスペランチストがいるかということです。

一般には世界のエスペランチストの数は100万人と言われています。 日本ではl万人くらいはいるのではないかと言われています。 世界で100万という数は、 中国語の12億などという数に比べると比較にならない数ですが、 逆にアイスランド語30万人などと比べれば、多いとも言えます。 世界に3,000〜5,000あると言われる言語の中では、 多さの順位としては100位以内には入るのではないでしょうか。

エスペラントの特徴としては、 世界に薄く広く普及しているということです。 英語など若干の言語以外は、 話されている範囲が限定されて、その国を出るとほとんど役に立ちませんが、 エスペラントの場合は、 世界の112カ国に組織があり、 しかもエスペランチストどうしが深い同志愛で結ばれているということです。 こうしたエスペラントの特徴は、 使い手の数の上での「少なさ」をカバーして余りあるものです。

(堀泰雄)


これは 「Revuo Orienta (1997年1月号)」の特集記事からの抜粋です。 コメントや問い合わせは 「日本エスペラント学会 ウェブ管理人」宛でお願いします。

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