エスペラントとは – 言語入門編

新しい広報ウェブサイトを開設しました

Saluton! エスペラントとは 広報サイトバナー

「エスペラントって何?」「どこで使えるの?」「どうやって学ぶの?」……
初めてエスペラントに触れる皆様の、そんな好奇心にお応えするため、新しい広報ウェブサイト「Saluton! エスペラントとは」を開設しました。どうぞご覧ください。
(2021年5月27日より正式公開)

5分間講座(新サイトに移行しました)

長らく本ウェブサイトで公開しておりました「エスペラント5分間講座」は、装いを改めて

新広報ウェブサイト内の「エスペラント語5分間講座」ページ

に移行しました。どうぞご覧ください。


従来版(過去の記録として残してあります)を開く

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「エスペラント語?難しそう…」
「英語も苦手なのにエスペラントなんて無理…」
エスペラントの紹介をすると、そんな声をよく耳にします。確かに、今では英語を学ぶ機会は多いですが、エスペラントの本物(文章や会話など)に触れる機会はほとんどありませんから、そう感じる方が多いのは無理もありません。
でも、ご安心ください。
この言語には、考案者ザメンホフが「誰もが学べる簡単な言葉にしよう」という思いを込めて、様々な工夫を取り入れています。発音のやさしさ、単語の覚えやすさや国際性、文法の規則性などなど…。
このページでは、エスペラントの特徴を紹介していきます。


0. サルートン!(まずは挨拶から)

まず最初に、エスペラントでの挨拶言葉をいくつか紹介します。
エスペラントを学んでいる方を見かけたら、「サルートン!」と挨拶してみてください。きっと喜ばれるでしょう。

● サルートン!(Saluton!):こんにちは
( 時間を問わない軽い挨拶。英語の「Hello!」と似た使い方になります)

● ボーナン・マテーノン!(Bonan matenon!):おはようございます(朝の挨拶)
● ボーナン・ターゴン!(Bonan tagon!):こんにちは(昼間の挨拶)
● ボーナン・ヴェスペーロン!(Bonan vesperon!):こんばんは(夕方~夜の挨拶)
(Bonan(良い~)の後に単語を続けるのが、いろいろな挨拶の定番パターンです)

● ダンコン!(Dankon!):ありがとう!
● パルドーノン(Pardonon):ごめんなさい。
● ジス・レヴィード!(Ĝis revido!):さよなら!
(直訳すると「また会うときまで!」。もっと気軽な場面では「ジス!」と縮めることも多いです)


1. 文字(アルファベット)

エスペラントのアルファベットは28文字あります。
そのうち6文字が、文字の上に記号(字上符)が付いた、エスペラント独自のアルファベットです。
英語のアルファベットのうち、Q, W, X, Yの4文字は、エスペラントでは使いません(ヤ行の発音はドイツ語と同様に Y ではなく J を使います)。
C  は英語の TS、Ĉ は CH、Ŝ は SH です。このようにエスペラントでは、1つの音を1つの字で表すという特徴があります。

大文字 A B C Ĉ D E F G Ĝ H Ĥ I J Ĵ
小文字 a b c ĉ d e f g ĝ h ĥ i j ĵ
発音 ツォ チョ フォ ヂョ
(*1)

(*2)
ジョ
(*3)

(*1)  「チョ」を濁音にした発音です
(*2)  「コ」と「ホ」の中間の発音。のどの奥で摩擦音を出す「ホ」です
(*3)  「ショ」を濁音にした発音です

大文字 K L M N O P R S Ŝ T U Ŭ V Z
小文字 k l m n o p r s ŝ t u ŭ v z
発音
(*4)

(*4)
ショ ウォ
(*5)
ヴォ

(*4)  LとRの区別は、多くの外国語と同様にエスペラントにもあります
(*5)  ほとんど aŭ(アゥ)か eŭ(エゥ)の形で用いられます

シンプルで分かりやすい発音講座です。
(協力: YouTube エスペラントちゃんねるさん)


2. 単語(国際性の原則)

 エスペラントの単語は、国際的に広く使われている単語から選ばれています。 だから、エスペラントを知らない人でも、「あ、この単語は何となくわかる!」ということが多いのではないでしょうか。

英語とよく似た単語の例
単語 longa suno tomato danco havas
発音 ロンガ スーノ トマート
(*1)
ダンツォ ハーヴァス
意味 長い 太陽 トマト 踊り 持つ

(*1) 英語では「トメイトゥ」ですが、エスペラントは概ねローマ字読みで大丈夫なので「トマート」です

ラテン系言語(フランス語やイタリア語など)由来の単語の例
単語 luno libro pano bela bona
発音 ルーノ リブロ パーノ ベーラ ボーナ
意味 パン 美しい 良い

(*) ラテン系言語由来の単語が多いため、エスペラントの響きが「スペイン語やイタリア語に似ている」と感じる方が多いようです

日本語由来の単語の例(あまり多くありませんが…)
単語 sumoo suŝio cunamo sojo samurajo
発音 スモーオ スシーオ ツナーモ ソーヨ サムラーヨ
意味 相撲 寿司 津波 醤油

3. 品詞(規則性)

 上の例にもあるように、活用のある単語の品詞は語尾で決まります。 このように語尾の母音(と子音)自体が意味を持っていることが、エスペラントの他の ヨーロッパ系言語にない特徴の一つです。

 なお、動詞の語尾変化は常に規則変化です。不規則動詞はありません

エスペラントの品詞と語尾
語根 lum (光) am (愛) est (~である) danc (踊)
名詞 o lumo 光
(ルーモ)
amo 愛
(アーモ)
esto 存在
(エスト)
danco 踊り
(ダンツォ)
形容詞 a luma 明るい
(ルーマ)
ama 愛の
(アーマ)
esta 存在する
(エスタ)
danca 踊りの
(ダンツァ)
動詞・現在 as lumas 光る
(ルーマス)
amas 愛する
(アーマス)
estas ~である
(エスタス)
dancas 踊る
(ダンツァス)
動詞・過去 is lumis 光った
(ルーミス)
amis 愛した
(アーミス)
estis ~であった
(エスティス)
dancis 踊った
(ダンツィス)

4. 代名詞

いろいろありますが、よく出る代名詞を覚えておきましょう。

エスペラントの代名詞
  単数 複数
一人称 mi (ミィ) 私 ni (ニィ) 私達
二人称 vi (ヴィ) あなた vi (ヴィ) あなた達
三人称 li (リィ) 彼
ŝi (シィ) 彼女
ĝi (ヂィ) それ
ili (イーリ) 彼ら

5. 複数と対格

エスペラントの名詞(と形容詞)には、複数と対格の活用があります。 「対格」は目的語を示すときに使います。

複数語尾 j libro 本 [単数]
(リブろ)
–> libroj 本 [複数]
(リブろィ)
  knabo 少年
(クナーボ)
–> knaboj 少年達
(クナーボィ)
       
対格語尾 n libro 本
(リブろ)
–> libron 本を
(リブろン)
  knabo 少年
(クナーボ)
–> knabon 少年を
(クナーボン)
  vi あなた
(ヴィ)
–> vin あなたを
(ヴィン)

6. まとめ

以上まとめると、次の文は、こんな意味になります。

Masao estas knabo.
(マサオ エスタス クナーボ)
マサオは少年です。
Li havas librojn.
(リィ ハーヴァス リブロィン)
彼は本(複数)を持っています。
Mi amas vin.
(ミィ アーマス ヴィン)
私はあなたを愛しています。

※ 15分でわかるエスペラント講座(動画)

15分でエスペラント語の特徴がわかる、昭和テイストの入門講座。口元も確認できるので、発音練習にも適しています。
(2020年4月 日本エスペラント協会製作)


さらに知りたい方は

以上はほんの簡単な紹介でした。エスペラントをしっかり勉強したい方は、 次のサイトをご覧下さい。もっと詳しい講座があります。
ドリル式エスペラント入門

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